princeton.log

Princeton 大学の Department of Computer Science に一年留学する日本人が、学んだことや感じたことを綴ります。

Midterm Exam

f:id:liwii:20191028150407j:plain 今週は秋休みなので、ロサンゼルス〜サンフランシスコに旅行に来ています!なんか苦い匂いがするなあと思ったら「これがマリファナの匂いだよ」って言われたのがここまででは一番の衝撃ですね。
旅行の内容は来週ちゃんと記事にします。

先週はMidterm examがあったので、今日はそのお話をしたいと思います。

Contents

僕が今取っている授業は4つですが、その全部に中間試験がありました。一つずつ紹介すると、

Information Security

授業で扱った内容を踏まえて、与えられたセキュリティ要件を満たす通信の手順を考えたり、どのようにパスワードを選ぶとどのくらい総当たりで見つけにくいかを計算したりといった問題が出ました。
ノートや授業スライドのコピーが持ち込み可能だったのですが、結構考えさせられる問題が多かったので資料はほとんど参照しませんでした。説明を書くのに時間をかけすぎて最後の問題を適当に済ませたのはちょっと反省ですね。

Computer Vision

選択式の問題が3割くらいと、記述式の問題が7割くらいを組み合わせた試験でした。色々なケースの物体検出でどのモデルを使うのが適切かを選んだり、ピンホールカメラで投影された物体のサイズについての簡単な計算問題が出たりしました。事前に去年の問題が配布され、それと似た形式で出題されたので、そこまで苦しむことはなかったです。

Functional Programming

ラムダ計算をOCamlで実装して、その後用意されたコンビネーターを使って関数適用を全て置き換えるという内容のTake-home Exam(後述)でした。OCamlは日本の授業でも触っていたのですが、予想以上に時間がかかったので反省です・・・

Asian American History

750wordsのエッセイ * 2のTake-home Examでした。一つのエッセイが与えられたテーマに沿って授業で触れた内容をまとめるもの、もう一つが新しく提示された一次資料について考察するものでした。
これが一番きつかった・・・歴史のエッセイなんて日本でもほとんど書いたことがないので勝手がわからず、めちゃくちゃな時間が溶けていきました。ちゃんと議論に一つ一つ出典を明示しないといけないんですが、「あれ絶対どこかに書いてあったけどどこにあったっけ」ということが多発して辛かったです。

Honor Code

プリンストンにはHonor Codeというものがあり、学部生はこれを守ることが求められます。Honor Code自体は要は「カンニングをしません」ということで、そんなに変わったものではありません。面白いのは生徒が自分の名誉のもと自主的にこれを守ることが期待されていることで、このためどの試験にも「試験監督」はいません。教授やTA陣は試験を配り終わると部屋から出ていき、部屋の外で質問を受け付けます。
僕の時はそこまでの人はいなかったのですが、友達の話だとテスト中に立ち上がって「このテストってこれ使っていいんだっけ?」と大声で聞いて回る人もいたりしたみたいです。(一応問題については聞いていないので多分セーフです)
この制度のもとでしっかり公平に試験をするために、生徒によってHonor Committee というものが組織されています。これは裁判所のようなもので、生徒からカンニングを見たという報告があった場合にそれが本当にカンニングに当たるのかについて調査・協議を行います。カンニングになると判断された場合には、該当生徒には停学・退学を含む重い処分が下されます。
この仕組みがしっかり機能するために、新入生はオリエンテーションで不正行為を見たらたとえ友人であってもしっかり報告するように強く言われます。とはいえこのような相互監視の仕組みはあまり好きになれないですね・・・日本の制度に慣れているからかもわかりませんが、「そこまでするなら試験監督おけば?」って思っちゃいます。

Take-home

先ほど述べたように、プリンストンにはTake-home examという制度があります。これは文字通り持ち帰って自分の部屋で試験をするというもので、時間制限が厳しめの宿題のようなものです。
僕が受けたTake-home二つはコーディング+エッセイということで宿題感が強く、制限時間もかなりかなり長かったのですが、中にはクラスでやる試験と同じように数時間で問題を解ききるようなTake-home exam がでるクラスもあるらしいです。この場合でも、学生はHonor Codeに則って

問題を解くことが期待されます。なんだかモヤっとするのは僕の人間への信頼が足りないのでしょうか・・・

Grading

実はこちらでは成績にしめる試験の割合はそこまで多くありません。例えばComputer Visionのクラスでは、最終的な成績は

  • 宿題 (4回) 合計56%
  • Midterm 20%
  • Final Project 24%

の割合で決定されます。そのため「試験でミスって落単!」みたいなことはほぼ起こらないようになっています。
これに関しては一長一短ですね・・・常に宿題に縛られるのはストレスフルな一方で、継続して勉強する習慣ができるのはいいことだとは思ったり。一年過ごす中で感想も変わっていくかもしれませんが。

After the Exam ...

試験が終わった次の日からは秋休みが始まります。というわけで試験最終日は色々なEating Clubでパーティーが開かれていました。ハロウィーンシーズンということで、みんな仮装して楽しそうな感じでした。(飲みすぎで吐いてる子もいたけど・・・) f:id:liwii:20191028150751j:plain
ちなみに、Computer Visionについては試験の二日後に採点結果がメールで通知されました。はやい。TAの皆さんには本当に頭が下がります。成績も悪くなかったので、この調子で頑張りたいと思います。

と、いうわけで試験の話でした。来週は旅行記にするのでお楽しみに!

P.S.
ブログの合計PV数が2,000を超えました!いつも見てくださるみなさん、ありがとうございます。頑張って続けるので、応援よろしくお願いします。留学終わりまでに10,000越えるといいなあ・・・ f:id:liwii:20191028150352p:plain